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ニューダンガンロンパV3 4章 『 気だるき異世界を生かせ生きるだけ 』 の考察


4章開幕から学級裁判後までの考察。


※ネタバレ注意!!


ニューダンガンロンパV3 1章 『 私と僕の学級裁判 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 2章 『 限りなく地獄に近い天国 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 3章 『 転校生オブザデッド 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 4章 『 気だるき異世界を生かせ生きるだけ 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 5章 『 愛も青春もない旅立ち 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 6章 『 さよならダンガンロンパ 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 終章 『 みんなのコロシアイ修了式 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 全章 『 ダンガンロンパ 』 の考察

+ + + + + + + + + +
第4章 気だるき異世界を生かせ生きるだけ


1.3章を終えて

4章のランク表

 残り九人。3章でCランクの是清とアンジー、転子が退場しました。元々のBランクとCランクが全滅したことにより、集団におけるAランクの百田と王馬の影響力がさらに強まります。さらに是清が退場したのも地味に効いており、残る頭脳派は王馬と最原の二人だけになってしまいました。


2.天海のビデオメッセージ

やぁ、どうもっす

 冒頭で検閲された天海のビデオメッセージが流れます。これの検閲前のオリジナルは5章に出て来る“超高校級の生存者の研究教室”の中にあるものであり、もちろんこの開幕デモも運営の用意したメインストーリーであるゴフェル計画を盛り上げるためのものです。


3.夢野の成長 その2

めんどいが…やってみるかのぅ

 学級裁判翌日の朝食会は、やたらと重い空気に包まれています。そんなみんなが精神的に相当参っている中、Aランクの百田と王馬はいつもの様子を示し、Eランクの夢野がこれまでと違う前向きな姿勢を示します。夢野は自分につく嘘をやめた結果、死んだ仲間の死を無駄にしないために前向きに生きることを決意したのです。初っ端から飛ばし過ぎて息切れしてしまいますが(本来はEランクの反応でなかった)、これは夢野が自らで考えて選び取った成長であると言えます。


4.謎のカードキー

 モノクマとモノクマーズが現れ、ご褒美アイテムと一緒に今回の動機となる“謎のカードキー”を提示します。この“謎のカードキー”は、使用者に外の世界の真実を見せることによって自殺、あるいはみんなと無理心中をさせるための動機です。みんなが警戒する中、王馬が“謎のカードキー”をモノクマから奪い取ります。これは他のみんなに動機を使わせないための行動ですが、デスロードへの入口が封鎖されたままのため王馬自身もカードキーの使用場所を特定できず使い様がありません。


5.超高校級のコスプレイヤーの研究教室

コスプレしてみようってなるよね!

 “超高校級のコスプレイヤーの研究教室”では、白銀のフィクション愛が見られます。

白銀 「うーん…材料やセットや道具が揃ってても、
    わたし1人だとなぁ…」
最原 「そっか…コスプレって、
    みんなでやるのが楽しいんだもんね?」
白銀 「だから、1人きりでやっても
    虚しい限りだよ…
    ねぇ、最原君も一緒にやらないか!?
    ほら、着替えてみようよ!」
最原 「ぼ、僕が?」
白銀 「うん、フィクションのキャラになり切るのって
    地味に楽しいと思うよ?
    まったく別の自分になって、
    まったく別の世界で生きてるような気持ちって言うか…
    …そういうの興味ない?
    フィクションの世界に生きてみたくない?」
最原 「でも、今はほら…探索中だし」
白銀 「じゃあ、また別の機会にしよっか。
    気が向いたらいつでも言ってよ。
    最原君が好きなマンガとかアニメのキャラになるのを、
    わたしが手伝ってあげる。
    ただし、気軽にって言っても愛は必要だからね!?
    愛なきコスプレほど痛々しいものはないから!」
最原 「…わ、わかったよ」


 6章学級裁判でのフィクションネタを唐突に感じるのは、プレイヤーには「このコロシアイはフィクションだ」という認識がそれまで全くなかったからです。それでもこのコロシアイは最初から一貫してフィクションであり、白銀が首謀者を務める動機はここと6章学級裁判、赤松の通信簿イベント(1回目)で説明されています。


6.“超高校級の探偵の研究教室”のファイル

 “超高校級の探偵の研究教室”には、五十二冊の事件ファイルが揃っています。そして、その冊数から過去のダンガンロンパの殺害トリックをナンバリング毎にまとめたものだと推測できます。ここで重要なのが、“初期の頃はイラストだけなのに、新しめになると写真付きになること”です。これはそのまま“白銀が苗木たちにはコスプレできて、赤松たちにはコスプレできない理由”に繋がっています。


7.味方の強化と敵の弱体化

ここはオレにどーんと任せておけ!

 探偵と犯罪者が紙一重の存在であることに落ち込む最原を、百田が激励します。

百田 「まったくシケた面しやがって…
    とても、このオレの助手とは思えねーぞ。
    もっと胸を張れ、終一!
    今までのテメーの活躍はなかなかのモンだったぜ!」
最原 「う、うん…」
春川 「だからこそ、気を付けた方がいいかもしれないけどね」
百田 「あ? どういう意味だよ?」
春川 「今までの最原の学級裁判での活躍は、
    “未来の犯人”の目にも留まってるはずだから…
    次は、あんたを狙ってくるかもしれないって事だよ」
最原 「ぼ、僕を…狙う?」
百田 「へっ、その心配なら無用だぜ!
    このオレが助手に手出しさせる男だと思うか!?
    終一もハルマキもオレが全力で守ってやる!
    助手を守るのが、ボスの役目だからな!」
春川 「…その“未来の犯人”が私だとは考えないの?」
百田 「アホか。そんな訳ねーだろ」
春川 「ねぇ、あんたってさ…
    どうしてそこまで人を信じられるの?」
百田 「ん? 前に言ったろ?
    オレは信じてーヤツを信じるだけだってよ。
    それで裏切られちまったら、
    そいつを信じたオレの見る目がなかったってだけの話だ。
    もちろん、その信じてーヤツの中には、
    ハルマキも含まれてるぜ!」
春川 「………………」


 2章では王馬に守られることによって夢野が斬美のターゲットから外れたのと同じように、4章では百田に守られることによって最原が入間のターゲットから外れます。また、4章では百田と王馬の才能の違いが見所になります。百田から春川・最原へは信頼で繋がっているのに対し、王馬から入間・ゴン太へは嘘で繋がっています。そして、百田は春川の暴走を抑えて最原の命を救うのに対し、王馬は入間の暴走を抑えずゴン太の命を奪います。さらに、百田は最原を成長させて仲間を団結させたのに対し、王馬は首謀者の立場を奪い運営のシナリオの進行を妨げます。


8.思い出しライト その3

思い出しライト

 思い出しライトによって、“大量の隕石群と謎のカルト集団、ゴフェル計画”が思い出されます。2章の“超高校級狩り”。3章の“みんなの葬式の風景”。そして、今回の“大量の隕石群と謎のカルト集団、ゴフェル計画”。果たして、これらがどう繋がっているのか。Bランクに成長した最原も状況を推理できません。しかし、王馬だけは自分たちの置かれた状況を推理できていました。思い出しライトの記憶が実はただの“作り話”だとして、もしこれらが衝撃的な真相にたどり着く一連のドラマになっているのなら、そろそろ終わるはずだと考えたのです。ちなみに、「オレらはとっくに死んでいて、ここは死後の世界だった」、「謎のウィルスが広まってバイオハザードになった」、「未知の技術が一気に広がった」、「次元や時間を捻じ曲げる性質を持つ“未知の物質”が地球に運ばれて来た」といった例が、前回の思い出しライト使用時に王馬をがっかりさせないようなイマジネーション溢れる推理だということになります。また、ここでの思い出しライトの記憶が3章開幕デモと内容が同じでないことも注目すべきところです。

 さらに、最後にゴン太がデスロードへの再挑戦について触れようとしたところを、王馬が「あははっ、あそこに挑戦するバカなんていないでしょ!」と遮ります。これはデスロードの先がカードキーを使う場所だと確信し、そこへ誰も近付けさせず、なおかつデスロードに再挑戦しそうな仲間がいないことを確認するためです。

 あと、外の世界が未曽有の危機に襲われていたことを知ったことで、入間の「外の世界のみんなの役に立ちたい」という想いがフィクションを超えます。そして、これ以降は、フィクションを超える想いを動機とする入間の全ての行動が白銀にはコスプレできなくなります。


9.みんなの役に立ちたいゴン太

何も思い付かないゴン太

 夜時間のトレーニングに向かおうとすると、寄宿舎の出口前でゴン太と出会います。「みんなの役に立ちたい」と強く思いながらも具体的な行動を考え付かず、自責の念に駆られるゴン太。ここでゴン太の「みんなの役に立ちたい」という想いがフィクションを超えます。そして、これ以降は、フィクションを超える想いを動機とするゴン太の全ての行動が白銀にはコスプレできなくなります。もっとも、ゴン太には自分で考える力が足りないため、フィクションを超える想いを抱いても単独では白銀にとっての脅威になり得ません。


10.夜時間のトレーニング その3-①

別に…なんでもないけど…

 三人揃ってのトレーニングですが、百田はトレーニングをせず、さらにトイレ休憩を挟みます。健康状態が悪化しすぎて、もはや平静を装うだけで精一杯なのでしょう。また、ここでは最原と春川のディスコミュニケーションが見られます。春川は最原と赤松に自分と百田を重ねて話をしているだけなのですが、最原は赤松への想いを軽んじられていると受け止めて苛立ちを隠せません。最原と春川は3章でコンビを組んだ間柄ではありますが、それでもお互いに相手の一番大切なものすら分かっていないということです。

 ちなみに、ここは作中でも屈指の重要イベントです。フィクションの存在である最原たちは、基本的に与えられた設定の中でしか行動をとれません。しかし、「どんな時に人を好きになれば変でないのか」を運営が定義できていない以上は、コロシアイ参加者が与えられた設定を越えて人を好きになる可能性があるということです。ましてや本作のコロシアイ参加者は、赤松の“超高校級のピアニスト”の才能によって心を揺さぶられています。設定にない好きな相手のための行動は、白銀にはコスプレできません。さらに、最原と夢野がすでにそうであるように、誰かを好きになることで本人はフィクションを越えて成長できます。『ダンガンロンパ』というフィクションによって作られた鳥籠は、コロシアイ参加者たちの誰かを大切に想うフィクションを超える想いによってのみ破られるのです。


11.常軌を逸した状態

 朝食会で「コロシアイを勝ち抜く」と言い切る王馬を百田が殴ります。百田は王馬の発言が本気でないことをちゃんと分かっており(次の自由行動での発言を参照)、その上で常軌を逸した状態の王馬の目を覚まさせるつもりで殴ったのです。そして、これにより王馬は、“外の世界の真実”を知って受けた衝撃から目を覚まします。なお、この百田と王馬の諍いにより、入間のターゲットが王馬に確定します。


12.入間の企み

まさか…こ、殺しに来いって事か?

 入間がフィクションを超える想いを抱いており、なおかつ王馬が“外の世界の真実”に絶望していないタイミングで、王馬は入間の反応から殺人の計画を企んでいることに気付きます。しかし、王馬は証言や証拠というような客観的事実によって推理しているわけでなく、さらに本人が普段から嘘をついていることから、入間の企みをみんなに訴えても間違いなく信じてはもらえません。そこで、王馬は自らが首謀者を装う計画に入間の計画を利用することにしたのでした。


13.夜時間のトレーニング その3-② / 春川の成長 その2

こう見えて、オレは聞き上手なんだぜ?

 引き続き三人揃ってのトレーニングですが、百田はもはや体調の悪さを隠すことすら出来ない状態です。そのため今回のトレーニングは中止になり、代わりに三人でいろんな話をすることになります。ここで注目すべき点は、二つあります。一つ目が、最原がBランクの生存フラグを立てたことです。Bランクの生存フラグは『背負っているものを仲間に預ける』であり、百田の発案によって最原は5章からAランクにランクアップします。二つ目が、春川が自分の失敗を語れるようになったことです。本当の自分を隠さず相手に歩み寄ろうとする姿勢からは、春川の大きな成長が見て取れます。これは「お互いに本当の自分をさらけ出すことで、周囲との信頼関係をもっと強くすればいい」という百田らしい考え方です。なお、これにより百田と春川の距離はさらに縮まります。


14.モノクマと密会する王馬

この困難な状況で、人間のどんな美しさが見られるかネ

 ゲームルームで王馬がモノクマと密会し、今後のコロシアイについてある提案をします。王馬が他のコロシアイ参加者と信頼関係にないことはモノクマの目にも明らかで、それ故に提案の内容について全く警戒されません。「嘘の自分を演じるからこそ出来る戦い方もある」という王馬らしい考え方です。

 ちなみにモノクマと密会する王馬の内面は、3章での転子に対応しています。以下に3章学級裁判後のやり取りを引用します。

是清 「もちろん、夢野さんでも良かったけど、
    茶柱さんが名乗り出てくれたのは嬉しかったなァ…
    彼女のひたむきな想いは、
    姉さんの友達に相応しい高潔さだったからサ…
    何せ…夢野さんの為に、
    危険を承知で生徒会に潜入するぐらいだもんネ」
ゴン太「えっ? 潜入って…そうだったの?」
最原 「でも…真宮寺くんはどうしてそれを?」
是清 「ククク…それくらいは経験でわかるヨ。
    今まで様々な人間を見てきたからネ。
    そう! 彼女はこの学園に渦巻き出した闇に、
    1人で果敢に立ち向かっていたんだ!
    敬愛する友人の為にサ!
    僕はその姿に感動したんだ!
    素晴らしい! 彼女こそ姉さんの友達に相応しいって!
    ククク…夢野さんが嫌う意味がわからないヨ」
夢野 「………………」

 Cランクの転子のひたむきな想いは、同じCランクかつ人間観察に長けた是清には理解できますが、Dランクのゴン太には理解できません。同様に、Aランクの王馬のひたむきな想いを、現時点でBランクである最原には理解できないのです。


15.危険を避けられない白銀

 入間のプログラム世界に行くように王馬が“外の世界の秘密”をエサにしてみんなを誘導する中、ただ一人白銀だけが難色を示します。これはもちろん入間がフィクションを超える想いで作り上げたプログラム世界に行くことに危険を感じているからです。しかし、自分だけが不参加になるわけにもいかず、最終的にはプログラム世界に行くことを渋々了承します。


16.クロに投票させるために

投票画面(ゴン太)

 今回の事件の実行犯はゴン太なので、学級裁判で正しくゴン太に投票されなければみんなは全滅してしまいます。しかし、嘘つきの王馬が普通に真実を話しても誰も素直に信じてはくれないでしょう。そこで、王馬は投票結果を正解で終わらせるための三つの計画を並列して用意します。一つ目が、最原のクライマックス推理によって事件の真実を説明してもらうことです。最原の実績と信用なら、ゴン太がクロであるという真実に百田以外の全員を納得させられます(ゴン太7票、王馬1票)。王馬の見立てでは最原には残酷な真実を明らかにするだけの勇気が足りていないのですが、最原が真実を明らかにせざるを得ないように予め誘導しておけばいいだけのことです。二つ目が、学級裁判でゴン太を追い詰めることによって論理の矛盾した反論を引き出すことです。これは事実上の自白になるので、百田を含む全員を納得させられます(ゴン太8票)。事前の準備が必要なく裁判中の労力が少ないという意味では、一番確実な方法だと言えます。三つ目が、百田の支配力を奪う方法です。百田のリーダーシップに王馬の誘導を直接ぶつけます。王馬の見立てでは百田のリーダーシップと自分の誘導は全くの互角なので、事前にモノクマから「複数の容疑者が同着一位になっても誰かがクロなら投票は正解になる」という言質さえ取れれば自分の力だけで裁判を乗り切れます(ゴン太4票、王馬4票)。そして、これらのための工作は、捜査パートの前からすでに始まっています。


17.才能を使わない王馬

 プログラム世界からログアウトする前に、サロンで王馬と二人きりになります。最原に声をかける王馬ですが、これは王馬が学級裁判で最原に真実を明らかにしてもらうための工作です。王馬の足りない言葉を補足すると、以下のようになります。

王馬 「あ、待って…せっかく2人きりになったし、
    1つだけ言っておきたい事があるんだ」
最原 「…な、なんだよ?」
王馬 「キミって(学級裁判での発言力が高いから)使えるよね」
最原 「…は?」
王馬 「だから、(ゴン太を庇うはずの)バカな百田ちゃんなんかと絡んでないで、
    オレの友達になりなよ。
    オレなら…(事前に真実を教えることで)キミの力になれるはずだよ?
    キミが(間違った投票結果から)みんなを救えるように、
    オレが力を貸してあげる。
    ほら、(全滅から)みんなを救いたいんでしょ?」
最原 「………………
    …最原終一」
王馬 「にしし…振られちゃったか。
    でも、そう簡単には諦めないよ。
    オレって…(夢野ちゃんへの態度と同じように)好きな人は、
    (自分の)首を絞めてでも振り向かせちゃうタイプなんだよね」


 王馬の才能ならば現時点で自分の答えを持たない最原を確実に誘導できるはずで、そうならなかったのは王馬がアクティブスキルである“誘導”を使わなかったからです。5章裁判決着後で百田が言うように「探偵としての能力でオレらを生き延びさせてくれたテメー(最原)があまりにもカッコいいから」、王馬はつい「友達になりたい」と願ってしまったのです。もちろん誘導で言うことを聞かせてしまっては友達にはなれません。そこで、王馬は嘘の才能を使わずに、自分の気持ちを正直に伝えることを選んだのです。さらに言うと、最原に「友達になってほしい」と伝えるにはこのタイミングしかありませんでした。学級裁判で自分が(間接的な)人殺しだと知られれば、もはや友達になってもらえないでしょうから。ちなみに、現実世界に戻って以降の王馬は、“友達”という言葉を使わず“相棒”に言い換えて話します。


18.相棒ごっこ

 捜査パートで最原と一緒に捜査しようとする百田を、容疑者であることを理由にして王馬が引き離します。これは後の学級裁判での最原の活躍に百田の貢献がないようにするためのもので、最原の言うとおり王馬の策略です。ただし、その後に王馬が最原の捜査を手伝うのは純粋に最原の傍にいたかったからであり、プログラム世界についていかなかったのは携帯電話で強制的にログアウトさせられたくなかったからです。


19.みんなから頼られる存在

今は頼りにしてるよ、探偵さん

 事件が起きてもこれまでのような悲壮感はなく、みんなは“超高校級の探偵”である最原がこれまでどおり何とかしてくれるはずだと信頼し切っています。これは斬美の“超高校級のメイド”としての評価に対応していて、4章では最原がBランクに成長していることを表しています。ただ、最原が斬美と違うのは、百田が「一人で背負いすぎるな」と、春川が「自分を見失うな」と心配してくれることです。背負っているものを預かってくれる仲間たちが、才能に吞み込まれることを防いでくれています。


20.入間美兎

入間美兎

 下ネタと暴言の“超高校級の発明家”。普段の強気な態度とは裏腹に相手から責められると途端に弱腰になる等、メンタルは決して強くありません。入間は同じDランクのゴン太と対になっており、品性が最低である反面、自己評価が最高です。モノクマと戦う自信こそなかったものの、Dランクである本人のアイデアで製作した改造カメラやドローン、キーボの各種機能と、Aランクである王馬のアイデアで製作したエレクトハンマーやエレクトボム、虫吸引機は、どれも無くてはならないものでした。また、機械や技術に対してとても素直な一面があり、下ネタと暴言の裏に無邪気な素顔を持ちます。そして、そうした日頃のキーボへの対応が5章裁判決着後にキーボをAランクまでランクアップさせる要因となり、6章で間接的に仲間たちをサポートすることになるのでした。


21.やる気のないモノクマ

嫌なムードになってきたー

 今回の学級裁判でモノクマにやる気がないのは、シナリオの進捗管理が上手くいかなかったからです。モノクマは「コロシアイさえ起きればいい」という考えではなく、もっと広いスパンでコロシアイが盛り上がることにこだわっています。それが4章では“謎のカードキー”によって全員が“外の世界の真実”を知って絶望する予定だったのに、王馬の計画によって大幅な修正を迫られることになりました。つまり、モノクマは今後のコロシアイが盛り下がるだろうことに気を落としているのです。


22.百田と王馬 その2

…百田ちゃん、これで納得してくれた?

 入間が自分たちをプログラム世界に来させようと熱心に誘った理由が自分に都合のいい場所で犯行に及ぶためだったと分かって、みんなの入間への印象が急激に悪化します。

王馬  「にしし…いいね。
     信じていた仲間に裏切られるこの展開…
     とっても、つまらなくないよ!
     疑心暗鬼と裏切り合いの学級裁判はここからが本番だね!」
ゴン太 「ねぇ…王馬君って、
     さっきからモノクマみたいな事ばっかり言ってるよね?」
王馬  「…そう? 別にそんな事ないと思うけど?」
百田  「いいや…モノクマと一緒だぜ…
     自分の正体や本音を明かせねー臆病者ってところが、
     モノクマとまるっきり一緒だ」
王馬  「臆病者…?
     百田ちゃんってたまに不思議な事を言うよね?」
百田  「そうやって笑って誤魔化して、
     自分の本音を見せねーところだよ…
百田  「そんな臆病なところが、
     モノクマと一緒だっつってんだ!」
ファニー「いいの、お父ちゃん?
     臆病者だなんて言われてるわよ?」
モノクマ「はいはい…とりあえず『うぷぷ』って
     言っておけばいいんだろ…?
     はい、うぷぷ」
ファニー「すっかり覇気をなくして…
     まるで、かつての栄光にすがる一発屋ね…」
タロウ 「ううっ…! あ、頭が…っ!」
百田  「いいかっ、王馬!
     これだけはテメーに言っておくぜ!
     何が“疑心暗鬼のゲーム”だ!
     オレは意地でもそんなモンには乗らねーぞ!
     オレは逆に信じてやる!
     疑うよりも仲間を信じて…
     オレはそうやって真相を見つけてやるぜっ!!」
王馬  「まぁ、それでこのゲームを勝てると思うなら、
     好きにすれば?」
百田  「…あぁ、テメーに言われなくてもそのつもりだ」


 ここも作中屈指の重要イベントです。これだけのやり取りに四つの伏線が重なっています。一つ目は、「王馬は自分の正体や本音を明かせねー臆病者だ」という百田の評価です。これにより、「王馬は本当の自分(最初の思い出しライトを浴びる前の人格)を嘘の才能によって隠し続けていること」を百田の勘が裏付けたことになります。二つ目は、「(臆病者であることが)モノクマとまるっきり一緒だ」という百田の評価です。百田が“臆病者”と評した相手は、春川と王馬とモノクマの三人。春川が“心の壁”を作っているように、王馬が“嘘の自分”を演じているように、モノクマもまた正体と本音を隠していることになります。三つ目は、首謀者である白銀は百田から“臆病者”でないと見なされていることです。これにより、普段の白銀は嘘をつかず“本来の自分”のまま首謀者を務めているということになります。四つ目は、どのようなスタンスでならこのゲームに勝てるかということです。百田のように仲間を信じればいいのか。王馬のように仲間を疑えばいいのか。それとも、最原にしか選べない別の道があるのか。これは、最終的に物語がどのような結末を迎えるかに繋がります。


23.学級裁判での百田 その4

ちょ、ちょっと待て!

 百田の勘はパッシブスキルであり、相手の発言から悪意のなさを常に正しく感じ取れます。ただし、1章での赤松がそうだったように、悪意のなさは必ずしもクロでないことを意味しません(少なくとも王馬はそう判断した)。そして、今回のゴン太もまた赤松と同じ悪意なきクロであり、百田がゴン太を庇うことは全滅への後押しになってしまうのです。王馬が夢野を守るためには、百田がゴン太を庇い切ることを絶対に阻止しなければなりません。王馬は最原を真実へと誘導し、最原を持ち上げて百田を落とし、最原に百田を論破させることで、百田の支配力を奪うことを狙います。百田は、最原への嫉妬もあり、王馬の策略にまんまとはまってしまいます。


24.何も分からないゴン太

本当なんだよ!

 王馬はゴン太を追い詰めることによって論理の矛盾した反論を引き出そうとしますが、ゴン太は「わからない」としか言いません。それもそのはずで、アバターのエラーが原因でゴン太にはプログラム世界の記憶がなかったのです。最原にクライマックス推理をさせるための誘導にはすでに失敗しているため、これで王馬には百田の支配力を奪う計画しか残されていないことになります。


25.学級裁判での王馬 その4

さっそくその“残酷な真実”ってヤツを叩き付けちゃおうかなー!

 王馬はここまで「ゲームを楽しむ」と言い続けてみんなからの信用を下げ続け、モノクマとの良好な関係を見せることでみんなの疑念を煽り、ゴン太による入間の殺害を裏で操りながらおしおきを受けないという他のコロシアイ参加者の上位存在にあるとの認識を植え付け、学級裁判後の露悪的な演説でみんなの敵意を一身に集めました。そして、これら全てはコロシアイを終わらせるための計画だったのです。王馬が首謀者を装うことで残りのコロシアイ参加者を団結させ、外に出たいという気持ちをゴン太の反応で挫けさせ、他のコロシアイ参加者の危機感を煽りながらも自らは何もしないことで状況の停滞を図ります。そして、これが運営の“作り話”に王馬がより強い“作り話”をぶつけた形になり、運営の用意していた“見世物”としての進行が止まり、“これを見ている人”の不満が高まる前に真の首謀者は手を打たなくてはならなくなります。

 もっとも、首謀者をあぶり出す前に自分の計画が暴かれては意味がありません。そこで王馬は最原に事件の動機を推理をさせないようにしました。学級裁判で屋上へ行ったことを頑なに認めないことで最原が「サロンに王馬はいなかった」と嘘をつくよう誘導し、王馬はその仕返しとばかりに自分でクロの正体やトリックといった真実のほぼ全てを明らかにします。入間に殺意があったことやモノクマとの取引をしたこと、ゴン太を騙したこと、事件の全容について。ただし、“コロシアイを終わらせるために間接的な殺人を企てた”という真実だけを嘘で塗り潰して。このように証言や証拠もなく大量の真実を一気に浴びせかけられれば、さすがの最原も推理や謎解きのしようがありません。大量の嘘で真実を覆い隠すのではなく、大量の真実で嘘を覆い隠すという完璧な最原対策です。最原は王馬に誘導されていることに何度も勘付きながら、その狙いまでは見通すことができません。


26.学級裁判での最原 その4

これが…この事件のすべてだよ

 自ら事件の全容を明らかにするつもりだった王馬を制して、最原は自らクライマックス推理を始めてゴン太をクロにするという残酷な真実に立ち向かいます。これは王馬の想定を超える展開であり、これにより最原は自らの意志と才能でみんなを全滅から救ったことになります(ゴン太7票、王馬1票)。Bランクの最原の推理では、Aランクの百田を納得させられず、同じくAランクの王馬の策略を上回れませんでした。それでも、百田にとっての最原はもはやただの助手ではなくなっており、王馬にとっての最原ももはやただの駒ではなくなっています。


27.獄原ゴン太

獄原ゴン太

 紳士を目指している“超高校級の昆虫博士”。ゴン太は同じDランクの入間と対になっており、自己評価が最低である反面、品格が最高です。ゴン太の才能は、身体能力の高さや感覚器官の鋭敏さ、サバイバル知識の豊富さから考えると、“超高校級の昆虫博士”と言うよりは“超高校級の野生児”と呼ぶべきものだと言えます。自己評価の低さから本人はみんなの役に立っていないと思っていたようですが、ゴン太にしかできない重要な証言や発見で何度もみんなの役に立ってくれました。また、ゴン太は入間を殺したクロではありましたが、同時に“外の世界の真実”に殺された被害者であったとも言えます。そして、その死は「何が嘘で何が真実かわからないままだと、何かを選ぶ事もできないし…、きっと、自分が選んだ事すらわからないままだと思う」という赤松の言葉を体現しています。ゴン太は、みんなのためを思うのならなおのこと、これも赤松の言うとおりに「怖くても真実と戦わなくてはダメ」だったのです。ただ、おしおきでは入間を殺害した記憶がないにも拘わらず、持ち前の勇気と自己犠牲の精神をもって真っ直ぐモノクマを見据えながらみんなのために体を張って散っていきました。


28.孤立する王馬

な、なんだと…!?

 おしおき後にみんなへ悪意を振り撒く王馬。王馬は殴りかかって来た百田を返り討ちにしますが、他のみんなは王馬を無視して一斉に百田へと駆け寄ります。百田の人望の高さと王馬の人望の無さが鮮やかに対比される場面ですが、本来百田と王馬の実力は全くの互角であり、コロシアイを終わらせる上での最終的な貢献度に差はありません。ここでは首謀者を抱き込んだ状態のまま仲間を信じる百田と、首謀者をあぶり出すために仲間をも騙す王馬の、立場と才能の違いが描かれています。ちなみに、百田が本当の自分をさらけ出すことで春川と打ち解けたのとは対照的に、王馬は嘘の自分を演じることで夢野からの理解を遠ざけます。


29.プログラム世界

謎の機器に繋がれた赤松

 4章で重要になるのは運営の用意した動機である“謎のカードキー”ではなく、コロシアイ参加者がフィクションを超える想いで作り上げた動機である“プログラム世界”の方です。さらに言えば、学級裁判後に登場する“アルターエゴ”が最も重要になります。何故なら、才囚学園は身体能力に制限のないコロシアイシミュレーターで、最原たちは改造アルターエゴだからです。ここら辺は作品の根幹に関わる話になるので、エピローグの考察で述べたいと思います。


30.4章組と6章組

みんなの為にっていう気持ちは間違いじゃないけど…

 入間とゴン太はそれぞれ“文明”と“野生”に振り切れた特別な才能を持っており、もしも生き残っていればみんなのサポートで活躍してくれたことでしょう。二人の敗因を挙げるとすれば、自分の才能を信じられなかったことです。入間とゴン太のどちらもが、みんなの役に立つ才能を持ちながらそれがモノクマに通用するという自信に欠けていました。王馬のアイデアによって作られた入間の発明品はどれも有用だったし、学級裁判においてゴン太にしかできない証言や発見でみんなの役に立ってきたにも拘わらずです。そして、二人のそうした自信の無さは、コロシアイが続くことでそれぞれ別の問題を顕在化させてしまいました。入間は“協調性の無さ”から孤立を深めて暴走してしまい、ゴン太は“自分で考えられない”ことで王馬の決定的な誘導を許してしまったのです。ちなみに、入間の“協調性の無さ”という問題点はかつての春川に対応しており、ゴン太の“自分で考えられない”という問題はかつての夢野に対応しています。入間とゴン太が退場して春川と夢野がそうならなかった理由の一つは、春川と夢野がそれぞれ二つの才能を持っていたからです。春川の“超高校級の保育士”としての才能が百田に、夢野の“超高校級の魔法使い”としての才能が王馬に、それぞれ発揮されたことによって二人は成長と生存の可能性に恵まれました。


31.王馬と入間とゴン太

本気で考え過ぎたせいで

 4章学級裁判が開かれるきっかけを作ったのは、王馬と入間とゴン太の三人。この三人の行動は対比になっており、入間は孤立を深めた結果として暴走してしまい、ゴン太は考える力が無さ過ぎて王馬に利用されてしまい、王馬は孤立を深めながらも暴走せず考え抜いた結果としてゴン太を利用します。さらに言うと、その動機が、“外のみんなのため”なのが入間で、“(中の)みんなのため”なのがゴン太、“たった一人のため”なのが王馬。被害者として退場するのが入間で、クロとして退場するのがゴン太、嘘の首謀者として生存するのが王馬です。


ニューダンガンロンパV3 1章 『 私と僕の学級裁判 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 2章 『 限りなく地獄に近い天国 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 3章 『 転校生オブザデッド 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 4章 『 気だるき異世界を生かせ生きるだけ 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 5章 『 愛も青春もない旅立ち 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 6章 『 さよならダンガンロンパ 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 終章 『 みんなのコロシアイ修了式 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 全章 『 ダンガンロンパ 』 の考察
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