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ニューダンガンロンパV3 3章 『 転校生オブザデッド 』 の考察


3章開幕から学級裁判後までの考察。


※ネタバレ注意!!


ニューダンガンロンパV3 1章 『 私と僕の学級裁判 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 2章 『 限りなく地獄に近い天国 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 3章 『 転校生オブザデッド 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 4章 『 気だるき異世界を生かせ生きるだけ 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 5章 『 愛も青春もない旅立ち 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 6章 『 さよならダンガンロンパ 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 終章 『 みんなのコロシアイ修了式 』 の考察
ニューダンガンロンパV3 全章 『 ダンガンロンパ 』 の考察

+ + + + + + + + + +
第3章 転校生オブザデッド


1.2章を終えて

3章のランク表

 残り十二人。2章でBランクの斬美と星が退場しました。コロシアイ参加者の人数が減るということは、それだけコロシアイを終わらせるのが難しくなるということでもあります。ましてや斬美も星も優秀だっただけに、最原たちにとって大きな痛手です。そして、今後もシナリオが進むほど状況は悪化していきます。


2.ニュース映像

 冒頭で無数の隕石が落ちてくるニュース映像が流れます。これも4章の思い出しライトの記憶を先取りしたものであり、運営の用意したメインストーリーであるゴフェル計画を盛り上げるためのものです。


3.超高校級の暗殺者の研究教室

…ほら、人とか殺してそうな雰囲気だし

 2回目の学級裁判から一夜明けた翌日。最原たちは初めて“超高校級の暗殺者の研究教室”に足を踏み入れます。王馬は春川の正体を「立場上、最初から知ってたよ(意訳)」と言いますが、これは真っ赤な嘘です。王馬が動機ビデオの中身に詳しいということになれば「王馬くんは自分の動機ビデオの中身も見ているはずだ」という最原の推理が成り立ち、そうなると「東条さんと同じ殺意を抱いているのでは?」と警戒されるし、殺意がないことを理解してもらえたとしても「どうしてモノクマの動機に耐えられるんだ?」とその理由を訝しがられるからです。後述しますが、そもそも王馬の本来の才能は“超高校級の総統”ではなく、春川の才能を立場上知り様がありません。


4.“超高校級の合気道家”の才能

女子にのみ真っ直ぐな転子

 忍者の像の前で、転子が昨夜のことを悔やんでいます。

転子 「転子、昨夜は弱気になっていました…
    コロシアイなんてもうゴメンだというのは、
    偽りのない本心ですが…
    でも、ここから出られなくてもいいなんて。
    そんな弱音を吐いてしまった自分が情けないです!
    コロシアイをせず、みんな揃って脱出する!
    諦めるわけにはいきません!」


 ここでは、作中の価値観として「コロシアイをせず、みんな揃って脱出する」という考え方が「コロシアイが起きないなら、ここから出られなくてもいい」という考え方の上位にあることが示されます。“超高校級の合気道家”は精神を強化する才能なので、こうしたCランクに留まらない心の正しさこそが転子本来の持ち味です。そして、同じCランクで違う意識の差が、夢野の扱いを巡ってアンジーとの不幸なすれ違いを生んでしまうことになるのでした。


5.夢野の問題点 その2

面倒臭がりの夢野

 ご褒美アイテムによって“超高校級の合気道家の研究教室”が開放されます。相手と組むことで心の迷いが分かる転子は、最原の次に夢野を投げ飛ばします。

転子 「なるほど…夢野さんは自分の感情をさらけ出すことを
    恥ずかしがっているようですね…
    もったいないですよ。
    本当は、誰よりも心が豊かなはずなのに。
    やはり、夢野さんも“ネオ合気道”をやるべきです!
    体を動かせば、表情を動かす事も得意になるはずです!
    さぁ、転子と共に汗を流し、
    その後で、共にシャワーで汗を流しましょう!」


 夢野の問題点は、自分の感情をさらけ出せないことです。逆に言えば、自分の感情をさらけ出せるようになれば、それが夢野にとっての成長の証だということになります。しかし、赤松の通信簿イベント(2回目)からも分かるように、夢野の面倒臭がりは筋金入りです。本人のやる気に期待しても、成長のきっかけはつかめません。


6.春川の問題点 その2

だったら、後はもう自分で決めるしかないよ

 思い出しライトについて話し合うためにみんなが食堂に集まる中、百田が春川を引っ張ってきます。しかし、百田と違ってみんなは春川のことが信じられません。そんなみんなに春川は寂しげに言い放ちます。

春川 「でも、これだけは言っておく。
    私は誰かを殺したりするつもりなんてない。
    ただし…誰も私を殺そうとしなければだけどね。
    て言っても…
    どうせ信じてもらえないんだろうけどさ。
    だったら…せめて私には関わらないで。
    私もあんた達とはできるだけ関わらないようにするから。
    お願いだから…私の事は無視して」


 春川の問題点は、自分から他人との関わりを避けることです。逆に言えば、自分から他人と関わるようになれば、それが春川にとっての成長の証だということになります。しかし、春川の研究教室での対応がそうであったように、本人の心の壁の厚さは相当なものです。本人の心変わりに期待しても、成長のきっかけはつかめません。


7.思い出しライト その2

思い出しライト

 思い出しライトによって、“自分たちの葬式の風景”が思い出されます。「これは文化祭の記憶だ」という百田による的外れの推理と、百田のリーダーシップに追従するだけの他のコロシアイ参加者たち。王馬が失望したのは、みんなのイマジネーションの無さに対してです。思い出しライトの記憶が本当にただの文化祭の記憶だったとすれば、いつか真相が明らかになったとしてもそこに何の驚きもありません。このコロシアイを上質の“見せ物”に仕立て上げるためには、思い出しライトの記憶は衝撃的な真相にたどり着く一連のドラマになっているはずだと王馬は考えたのです。また、ここでの思い出しライトの記憶が2章開幕デモと内容が同じでないことも注目すべきところです。


8.夜時間のトレーニング その2-①

…あんたって、本当にお節介だよね

 夜時間のトレーニングに百田が春川を強引に誘い、今後春川は百田たちと一緒にトレーニングすることを受け入れます。これは春川が百田によって何度も壊されてしまう心の壁を修復することに馬鹿馬鹿しくなって、心の壁の穴をそのままにしておくことにした形です。百田曰く、「弱っちくて苦しんでるヤツがいたら、放っておく訳にはいかねーんだよ!」。これが同じEランクでも、最原と春川は気にかけて、夢野とキーボを気にかけない理由になります。また、「最原と春川ではちっと違う」という話になりますが、これは百田の通信簿イベントにあるとおり「最原は高いポテンシャルがありながら、心の弱さによって本来の実力を発揮できず燻っている」と評価しているということです。ちなみに、最原のポテンシャルの高さは、百田だけでなく赤松と王馬、斬美からも評価されています。


9.屍者の書 その1

百田のプロフィール

 今回の動機である『屍者の書』は、『動機ビデオ』のような使用者にコロシアイをする動機を強制的に植え付けるようなものではありません。「モノクマーズから提供された効果の信じられないものをどう扱うか」を巡って、みんなの間に不和の種を撒くものです。最初にモノクマーズが説明したように、『屍者の書』で実際に死者は蘇ります。しかし、そのことに確信を持てるのは、神様と対話できるアンジーただ一人です。オカルト嫌いの百田はリーダーシップと勘を発揮できず、拳銃嫌いの王馬も春川のヘイトを自分に向けるだけの余力しか残していません。つまり、3章日常編の主導権は、Aランクではなく、次点となるCランクが握っていることになります。


10.才囚学園生徒会

才囚学園生徒会

 「コロシアイの根絶」をマニフェストとして、アンジーを生徒会長とした『才囚学園生徒会』が発足します。生徒会役員は、白銀、転子、ゴン太、夢野、キーボの五人。十二人がちょうど半数ずつに分かれました。ここで注目すべきは、アンジーと転子、白銀の三人です。アンジーは“友達(みんな)を守りたい”というフィクションを超える想いで生徒会を発足させ、転子は“友達(夢野)を守りたい”というフィクションを超える想いで生徒会に潜入し、白銀はそんな二人を監視するために生徒会に潜入しています。

 ちなみに、ここで是清がフィクションを超える想いを抱きます。2章裁判決着後の斬美の逃走を見たこと。昨日の探索で“超高校級の民俗学者の研究教室”が開放されて、かごのこを手に入れたこと。敬愛する友人(夢野)のために危険を承知で生徒会に潜入した転子の高潔さに触れたこと。これら三つが引き金となって、“(姉の)友達を作りたい”という想いがフィクションを超えたのでした。そして、これ以降は、死んだ姉への想いを動機とする是清の全ての行動が白銀にはコスプレできなくなります。


11.夜時間のトレーニング その2-②

はぁ…

 百田は体調不良のため欠席しますが、それでも春川はトレーニングを休みません。また、最原は自分に百田のようなガムシャラさが足りないことを自覚して、さらに“超高校級の探偵”の才能を受け入れられるようになっています。3章序盤での転子からの評価は「自分に自信がなくて…自分自身の力を疑っている。少しずつ改善の兆しは見られているようですが、その傾向はまだ残っているようですね」でした。この転子の指摘する最原自身の悩みは確かに当たっているのですが、それをどう解決すればいいのかまでは当てることが出来ません。最原を本来の実力にまで成長させられる才能を持つのは、残ったコロシアイ参加者の中では百田だけです。


12.アンジーのリーダーシップ

神ってるよねー

 生徒会発足翌日の朝食会では、生徒会と非生徒会の対立が早くも顕在化します。ここは生徒会と非生徒会で勢力が二分されたというより、Cランクであるアンジーのリーダーシップが全体の半数にしか影響していないと見るべきところです。百田のリーダーシップに比べてアンジーのリーダーシップは明らかに劣っています。百田の目的が「ここから出るための道をつけたい」であるのに対して、アンジーの目的は「ここから出ることを諦めて平和に暮らしたい」。百田の信じるものが自分の勘であるのに対して、アンジーの信じるものは他者(神様)の言葉。百田がメチャクチャな真っ直ぐさでみんなを引っ張るのに対して、アンジーは嘘でみんなを誘導する。百田が孤独に耐えられるのに対して、アンジーは寂しさに耐えられない。リーダーとしてみんなを引っ張る適性が、アンジーには足りなかったのです。


13.夜時間のトレーニング その2-③ / 春川の成長 その1

まぁ、世の中には必要なのかもね

 夜時間のトレーニングのために百田の個室に向かうと、すでに春川が百田を迎えに行っていました。しかし、百田の体調は芳しくなく、生徒会の件に関してもいつもと違う弱気な態度を示し、トレーニングも不参加となります。そして、ここは春川の成長が示される場面です。春川は百田の壊した心の壁の穴を通って、作中で初めて自分から積極的に他人(百田)へと関わっています。百田が壊した心の壁の穴のおかげで、春川は自身の成長のための勇気ある一歩を踏み出すことが出来たのでした。ちなみに、春川が成長することによって、百田と春川の距離は徐々に近付いていきます。


14.転子の嘘

何が神さまですかっ!

 最原と春川と転子の三人でアンジーの説得に向かいますが、神様を信じるアンジーの考えを変えることが出来ません。さらに、感情の昂った転子が夢野の説得にまで失敗してしまいます。ここはアンジーの支配力が強大だったというより、Cランクの転子の嘘が武器として通用していないと見るべきところです。王馬の嘘に比べて転子の嘘は明らかに劣っています。王馬が徹底的に嘘つきなのに対して、転子は徹底的に正直者。王馬が思惑どおりに他者を操れるのに対して、転子は説得に向いていない。王馬の嘘が敵をすら騙せるのに対して、転子の嘘は味方をすら騙せない。王馬が自分の感情を完璧にコントロールできるのに対して、転子は自分の感情を抑え切れない。敵の懐に潜り込んで夢野を守る適性が、転子には足りなかったのです。


15.夜長アンジー

夜長アンジー

 神様の声を聞くことが出来る“超高校級の美術部”。アンジーには死の直前の描写がないため、極限状態での発言から本性を伺い知ることができません。一応これまでの描写から分かることは、絶望のデスロードの理不尽さに挫折したことから心が強い方でなく、百田の作戦会議へ誘われたことから悪意を持っておらず、コロシアイ参加者の中では標準的なCランクの実力の持ち主だということです。転子の次に大きな問題を起こしそうにないキャラクターのはずだったのですが、2章から徐々に影響力を発揮し始めます。その原因は、アンジーだけが対話できるという神様の存在にあります。

 アンジーについて一番気になるのが、本当に神様と対話できるのかということです。「神様を信じてる」だけならともかく、「神様がこう言ってる」とまで言われれば眉唾だと構えざるを得ません。ところで、アンジーの“神様と対話できる”というのが設定だとして、チームダンガンロンパはどのようにしてリアルとフィクションを整合させているのでしょうか。4章から考えるに、アンジーには実際に心の中でチームダンガンロンパのスタッフと対話できるようにしたのだと思います。モノクマが獄原アルターエゴを最原たちと対話できるようにしたのと同じように。その上でスタッフが「自分が神だ」と嘘をつけば、アンジーは自らの設定からそれを信じるしかありません。もっとも、神様の正体がスタッフだと言えども、別にコロシアイを促進するようなことはなく、1章学級裁判における真犯人の犯行方法や屍者の書の効果が本物であることといった通常のコロシアイ参加者が知りようのない“正解”を与えてくれます。ちなみに、赤松の通信簿イベント(2回目)でアンジーがピアノの演奏中に寝てしまうのは、普段作品を作る時に神様を降ろしているからです。「神さまが、音楽と絵画の融合を提案してきたのだ!」というアンジーの無茶振りにはさすがの神様も応えようがなく、アンジーだけが神様を受け入れる体勢を作るに留まったということなのでしょう。このように作品を作っているのが神様でアンジーはあくまで神様を降ろしているだけだと考えると、アンジーの才能は“超高校級の美術部”というより“超高校級の巫女”と呼ぶべきものだと言えます。

 ちなみに、アンジーが転子と同格であり、その最期が転子と同様に即死でなく、フィクションを超える想いが“友達(みんな)を守りたい”であることから、作中に描写のないアンジーの最期の様子を推理できます。転子が薄れ行く意識の中で夢野の幸せだけを願ったように、アンジーもまた薄れ行く意識の中でみんなの無事だけを祈ったのでしょう。


16.“かごのこ”を避ける白銀

心底嫌そうな白銀

 アンジー殺害事件の捜査を始めると、是清が「“かごのこ”で夜長さんの霊を呼び出せばいいんだヨ(意訳)」と言い出します。そのために真ん中の空き部屋に向かったのは、是清、王馬、転子、夢野、キーボの五人。ここで注目すべきは、かごのこ組ではなく、研究教室に残った白銀です。首謀者である白銀はアンジー殺害の真相を分かっていて、それでもなお“かごのこ”を行おうとする是清と一緒にいるリスクを避けたのです。ここでは、コスプレ不可能な食堂組(斬美・是清・入間)に対しては監視せず距離を取るという白銀の慎重さが伺えます。


17.口寄せ役

…どうじゃろうな

 転子が“かごのこ”の口寄せ役を引き受けることによって、夢野と仲直りします。これは、アンジーの夢野への誘導がなくなったことで、アンジーの優しい嘘を否定することなく転子の率直な優しさが夢野に伝わるようになったからです。ここでの転子のアドバイスは、夢野の進むべき道をはっきり指し示しています。


18.茶柱転子

茶柱転子

 男死嫌いの“超高校級の合気道家”。“澄んだ心”と“ぶれない心の軸”が特徴であり、戦闘力だけでなく精神力を強化するタイプの才能だと言えます。自らの澄んだ心に誰かの心を映し取ったり、どんな逆境にも挫けなかったり、相手の嘘に騙されなかったり、痛みと死の恐怖を前にしてもうめき声一つ上げなかったりと、コロシアイという陰惨な環境において清風のように爽やかな存在感を示しました。転子の能力で特に注目すべきは、“自らの澄んだ心に誰かの心を映し取る”というものです。王馬の動機を言い当てた「さては、王馬さんは夢野さんが好きなんですね! 男死の嫌味は、好きな子の気を引く為だと聞きましたよ!」と是清に愛された姉の気持ちを代弁した「でも、その人は迷惑だったと思います! だって、あなたって気持ち悪いですからね!」、アンジーにとっての神様が嘘でないことを看破した 「アンジーさんは…本気で神さまを信じています。本気で自分は神さまに守られていると信じているんです」では、百田やアンジーと同じく証拠のない疑問の答えを明らかにしてくれました。


19.王馬の推理方法

あぁ、キミはそう解釈するんだね

 最原と春川が殺害現場を調べている最中に、王馬は隣の空き部屋や“かごのこ”について調べていました。ここは最原と王馬の調査に対するスタンスの違いが表れています。最原が証拠と証言を根拠にして推理力で事件の痕跡をたどることによってクロを特定できるのに対して、王馬は相手の反応を根拠にして想像力で関係者の行動をたどることによってクロに目星を付けられます。2章で星の行動をたどってクロを春川に見誤ったのも、3章でアンジーの行動をたどって隣の空き部屋の横木を踏み抜いてしまったのも、どちらも同じ理由によるものです。


20.学級裁判での百田 その3

どんな偶然だよっ!

 学級裁判開廷直後に、百田から「(体調不良で)今回は役に立てない」と言われます。体調不良の原因がオカルト嫌いかウィルスか春川のパンチかを気にする必要はありません。シナリオ上における3章学級裁判での百田の役割が、“最原の手助けをしないこと”だからです。今回のクロである是清はCランクですが、最原も3章からCランクに成長しています。つまり百田の力を借りずとも、最原は他のシロからの証言と証拠だけで事件を解決し得るということです。


21.学級裁判での王馬 その3

もー、紛らわしいなー

 学級裁判の途中で、最原が誰かに誘導されてるような違和感を覚えます。実はここで誘導している誰かはクロである是清ではありません。王馬は「オレが犯人なんだよ」と名乗り出て犯人を釣るつもりだったと言いますが、三つの部屋全てで横木が切られていたことを知っている王馬にとっては学級裁判が始まる前からクロの目星は付いています。実は自分が犯人だと嘘をついてから転子の事件について話し合うことになるまで、場の流れは全て王馬のコントロール下にありました。最原が王馬の発言は噓だったと指摘したことも、容疑者ーズが王馬を警戒して発言しづらくなったことも、感情を押し殺していた夢野が「誰が転子を殺したんじゃ…」と発言したことも、百田が夢野の味方についたことも、転子の事件について話し合うことになったことも、全てが王馬の誘導によるものだったのです。王馬は最短ルートで進む議論を迂回させ、感情を押し殺す夢野から転子への想いを引き出し、夢野の今後のために手柄を立てさせ、是清の“三つの部屋全ての横木を切っていた”という仕込みを明らかにします。


22.学級裁判での最原 その3

…そうなんでしょ?

 Cランクの最原は日常編において生徒会しか警戒していなかったように、コロシアイを未然に防ぐための視野の広さに欠けていました。学級裁判においてもアンジーの事件にばかり気を取られて、転子の事件にまで目が行き届いていません。そして、万全の状態でない百田に代わって、そんな最原の問題点を(結果的に)改めさせるのが王馬です。Cランクの生存フラグは『視野を広げる』であり、王馬の誘導によって最原は4章からBランクにランクアップします。


23.百田と王馬 その1

 「茶柱は自殺かも知れない」という春川の推理を、夢野は「ちゃんと前に向かって生きてください。“転子や他のみんなと一緒に”生き残ってください」という転子の最後の言葉で否定します。しかし、王馬は「その言葉が嘘だとしたら?」と納得しません。

王馬 「さっき、夢野ちゃんは茶柱ちゃんの事を
    『そんなヤツじゃない』って言ってたけどさ…
    どうして、そんな事が言えるの?
    キミ達にお互いの何がわかるの?
    春川ちゃんが人殺しなのを隠していたみたいに、
    まだ隠し事をしているヤツだっているはずだよ?
    この場にいる人を完全に信じる事なんて
    オレらにはできないはずだよ…?」
百田 「…ったく、テメーはピュアな野郎だな」
王馬 「…ピュア?」
百田 「オレらは生の人間同士だ…作りモノじゃねーんだぞ。
    隠し事くらいはあたりめーだろーが。
    問題は…そこに悪意があるかどうかだ」
王馬 「悪意があるかどうかなんて、
    いくらでも嘘をつけるよね?」
百田 「それもあたりめーだ。
    他人の事はいくら考えてもわからねーからな。
    だからこそ、自分がどうしてーかだ!
    自分が信じてーかどうかで決めるしかねーんだよ!
    裏切られても相手のせいじゃねー!
    そいつを信じるって決めた自分のせいだ!
    オレがハルマキを信じたのもそういう理由だぜ!
    オレがこいつを信じてーって思ったからだ!」
春川 「…カッコつけたところで、
    トレーニング休んだ事は帳消しにはならないからね」
百田 「な、なんだよ…ちっと厳しすぎねーか?」
王馬 「まぁ、百田ちゃんとオレの話が合わないのは、
    最初から諦めてるけど…
    ピュアなんて言われたのは初めてだよ。
    オレみたいな嘘つきがさ」


 ここは、百田と王馬のスタンスが対比される場面です。百田の勘はパッシブスキルであり、「相手が嘘をついているか否か」と「相手に悪意があるか否か」を常に高い精度で判定します。したがって、百田にとって相手が嘘をつくこと自体はさほど珍しいものではなく、ただ相手に悪意がある場合のみを敵対行動として問題視するのです。一方の王馬は、百田と違って相手を完全に信じる根拠が得られるような才能ではありません。そのため、アクティブスキルである嘘によって、自分の望むように相手の行動を誘導するのです。相手の心が分からなくても問題ないように。相手の本心からの行動で自分の心が傷つかないように。


24.入間の健康チェック

ウンコ製造機

 キーボの録画機能が、入間の毎朝のウンコの状態を確認するためのものだったことが明らかになります。もちろん白銀のコスプレにはなかった行動です。ここでは「外のみんなの役に立ちたい」という入間のフィクションを超える想いが、「そのためにもこんなところで死ぬわけにはいかないから、まずは健康状態に気をつけよう」という入間らしい斜め上の発想として表れています。


25.真宮寺是清

真宮寺是清

 民俗学の知識と人間観察に長けた“超高校級の民俗学者”。ダンガンロンパはデスゲームなので、コロシアイに乗らないキャラクターばかりでは話が進みません。その点是清の設定は非常によく出来ていて、まず民俗学的見地という独自の視点を持っているところが面白いし、“死んだ姉のため”というクロになる動機が用意されているのが分かりやすいし、姉の友人となる相手を吟味するために中盤までコロシをしないという制約も上手いし、二重人格であるところも学級裁判で追い詰められてからの展開を盛り上げるだろうし、性格のいい女性しかターゲットにしないことで物語に大きな爪痕を残せるところも素晴らしいと思います。

 また、是清のサイコパスめいた性質は、善良なキャラクターの多い本作の中ではかなり異質です。逆に言うと、そうした異質な設定にしなければならない何らかの理由があったと考えられます。是清のおしおき直前の台詞は、「ククク…君らが仲間の死とどう向き合って、どんな答えを出すか…ずっとずっと見ているからネ」でした。おそらく最原が仲間の死と向き合って出す答えと真逆の答えを出すキャラクターとして作られているのでしょう。さらに言うと、是清は他のクロと比べて特別なキャラクターというわけでもないので、他のクロも動機等において最原とは真逆の答えを出すキャラクターとして作られていると考えられます。


26.屍者の書 その2

ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期_20180831211144

 学級裁判が終わったことで、今回の動機である屍者の書は回収されてしまいました。実際に誰かを復活させたとしてもそれが本人だと証明できない以上、最初からモノクマの罠だと割り切って使わないのも一つの正解と言えるかも知れません。ただ、「百田がオカルト嫌いに負けず才能を発揮していれば」という悔いはどうしても残ります。2章で王馬が自分の動機ビデオの扱いに失敗してしまったように、3章では百田が屍者の書の扱いに失敗してしまったということなのでしょう。ともあれ、3章で百田を苦しめていたオカルト嫌い問題は、これによりひとまず解決します。


27.“超高校級の暗殺者”の脅威 その2

…別に、大丈夫だよ

 王馬の「それ以上に厄介なのは人殺しの才能だけどね! どこで発揮させようと企んでいるんだか!」というヘイト稼ぎに春川は乗りません。春川はすでに成長のための最初の一歩を踏み出しており、百田の壊した心の壁の穴を通してみんなとの繋がりを維持する決意を固めていたのです。王馬の「素晴らしい結束力だけどさ…。もっと早くそうなって欲しかったよ。7人も減ってからじゃなくて」という春川への言葉は、前回の学級裁判からここまでを無駄に過ごしてしまったことに対する恨み節だったのでしょう。ともあれ、3章で王馬を苦しめていた拳銃嫌い問題は、これによりひとまず解決します。


28.夢野の成長 その1

ちょ、ちょっと、そんな言い方って

 是清のおしおき後、アンジーと転子を失った悲しみに沈む夢野に対して、みんなはかける言葉が見付かりません。しかし、王馬はあえて夢野の感情を引き出すようなデリカシーのない言葉を浴びせます。「感情をさらけ出すことを我慢するのは、自分につく良くない嘘だから」と、夢野がそうした嘘をつかないで済むように誘導したのです。「秘密子は神さまに愛されてる」というアンジーの優しい嘘でなく、「心の柔軟をしましょう」という転子の正しい助言でなく、夢野が持て余して苦しんでいる感情を誘導する優しくて正しい嘘。夢野は王馬の誘導により自身の成長のための大切な一歩を踏み出します。そして、それは今後夢野が自分で考えて行動する道を歩き出すということであり、夢野に嘘が通じにくくなるという意味で、王馬と夢野の距離が徐々に離れていくことを意味するのでした。また、この王馬の嘘によって夢野の生存フラグ(心の問題を解決する)が立ち、ここで夢野の最終的な生存が確定します。


29.3章組と5章組

各種能力と動機

 アンジーと転子と是清が生き残っていれば、アンジーはサポート面で、転子は戦闘面で、是清は頭脳面で、それぞれ活躍してくれたことでしょう。三人の敗因を挙げるとすれば、視野が狭かったことです。アンジーは生徒会を優先していたため、転子は女子を優先していたため、是清への警戒に欠けていました。是清は女子しか眼中になかっため、王馬と最原の二人を狙って勝ち残るという選択肢を選べませんでした。王馬が万全ならば蘇りの儀式中のアンジーを監視していただろうし、百田が万全ならば“かごのこ”の危険性に勘付いていただろうしで、主力二人の不調が今回の悲劇の遠因だとも言えます。ところで、是清はともかくとしてアンジーと転子の「友達を守りたい」という目的は同じなのだから、やり方次第では違った未来があったはずなのです。アンジーがみんなを守るリーダーとして、転子が敵を騙す嘘つきとして、もしもそれぞれに特化した能力があれば。そして、その上で、もしも二人が協力して共通の敵に立ち向かっていれば。そんな二つの“もしも”が、3章組に対応する百田と王馬を主役にして4章と5章で展開されます。


30.アンジーと転子と是清

姉さん、寂しがっているからネ…

 3章学級裁判が開かれるきっかけを作ったのは、アンジーと転子と是清の三人。この三人の方向性は対比になっており、コロシアイをせずみんなと脱出を目指すのが転子で、コロシアイをしないためにみんなと脱出を諦めるのがアンジー、自分の都合でコロシアイに乗るのが是清になっています。さらに言うと、神様と向き合う才能なのがアンジーで、人の心と向き合う才能なのが転子、死と向き合う才能なのが是清。他者の嘘に騙されているのがアンジーで、誰の嘘にも騙されていないのが転子、自分の嘘に騙されているのが是清です。


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